■GPIBを使ってみよう

   ほとんどの電子計測器には、標準機能としてGPIBが装備されています。
   GPIBは、検査システム等を構築するには、基本的な技術です。
   ここでは、コマンドの送信とデータの受信の二つの基本動作をやってみます。

   LabVIEWには、「GPIB」と「GPIB488.2」の二つのVi群があります。(図1)
   これは規格の違い(バージョン)によるもので、基本的には「GPIB488.2」の方を使用することをお勧めします。

     
   1.制御に必要な情報
    GPIBで機器を制御するには、次に示す情報をあらかじめ知っておく必要があります。

   ・ボード番号
    「GPIB488.2」では、複数のGPIBボードを制御できます。
    使用する時は、どのGPIBボードの制御をおこなうかを指定する必要があります。
    ボード番号は、Measurement & Automationソフトウェア「MAX」の「デバイスとインターフェース」で確認できます。
    これは、GPIBボードのドライバをインストールした時に、インストールされます。

   ・アドレス
    GPIBでは、最大15台までの計測器を同時に制御できます。
    各機器を区別するために、各機器に固有のアドレスを割り当てます。
    アドレスの設定方法は、機器ごとに違うので各機器のマニュアルを参照してください。

   ・デリミタ
    デリミタはデータの終了を知らせる方法です。
    CR,LF,CR+LF、EOI等これも機器よって異なりますので、各機器のマニュアルを参照してください。

   ・コマンド
    コマンドとは、機器を制御するための命令です。
    コマンドも各機器により異なるため、制御したい機能のコマンドをマニュアルで探し、文法にしたがい設定します。

   2.コマンドの送信 
    GPIBでは、コマンドを指定した機器に送信することにより、その機器を制御します。
    ここでは、次の設定を例にコマンドの送信方法を示します。
 
     ボード番号:1
     アドレス:2
     デリミタ:LF+EOI
     コマンド:ATT 1.2DB

    ダイアグラムに「Send」関数を図2のように設定します。

     
    うまく動作しない場合は、各設定を再度確認してください。

   3.データの受信
    GPIBは、計測器の制御(設定)だけでなく、測定データの読込み等のデータの受信もできます。
    通常、機器に対してデータを出力するようにコマンドを送り、その後、データを読込みにいきます。
    ここでは、次の設定を例にデータの受信方法を示します。

     ボード番号:1
     アドレス:2
      ・送信データ情報
       デリミタ:LF+EOI
       コマンド:ATT?
      ・受信データ情報
       デリミタ:LF
       受信データバイト数:20

    フロントパネルに受信データを表示するための文字列表示器を設定します。
    ダイアグラムに「Send」関数と「Recive」関数を図3のように設定します。

     
    受信バイト数は、機器が出力するデータのバイト数です。
    設定値が短いとデータを全て取り込むめず、誤動作の原因になるので、長めにしておきます。
    受信データのデリミタは、アスキーコード(数値)を設定します。
    未接続又は、「256」を接続した場合は、「EOI」の受信でデータの読み込みを終了します。
    うまく動作しない場合は、各設定を再度確認してください。

   GPIBは計測器を制御するために開発されているので、計測制御システムを構築するには非常に便利にできています。
   最近は、イーサーネットでの制御ができるも機器も増えてきています。
   しかし、高速性では一歩譲るとしても、同時性や、安定性ではGPIBに軍配があがります。
   LabVIEWのGPIB関数は、これらの機能を十分に発揮できるようによくできています。
   まず、GPIBをよく理解し、GPIBでの計測器の制御にチャレンジしてみください。
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   最終更新日:2003-04-04