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■パソコンで測定する 研究・開発・製造の分野では、さまざまな物理現象の測定がおこなわれています。 これらは、センサにより物理量を電気信号に変換し、さららに1と0のデジタルデータに変更しています。 又、1と0のデジタルデータから、物理現象を発生させることもおこなわれています。 これまでは、専用の計測器によりこれらのことがおこなわれていました。 しかし、半導体技術とソフトウェアの進歩により、これらのことが比較的簡単にパソコン上で実現できるようになりました。 AD/DACやDIOが実装された拡張ボード(DAQボード)やLabVIEWのような計測制御ソフトウェアがこれらにあたります。 ここでは、パソコンでの測定の基本となる部分を数回にわたって書いてみたいと思います。 ●拡張ボードの種類 拡張ボードは、様々なメーカーから様々種類のものがでています。 大まかに分類すると次のようなものになります。 1.デジタル入出力(DIO) デジタル信号(1/0)の入出力をおこないます。 単純な入出力だけでなくハンドシェイクによるデータ通信がおこなえるものもあります。 2.アナログ入出力(AIO) アナログデータの入出力をおこないます。 アナログ入力(AI)では取り込んだアナログデータをデジタルデータに変換します。 アナログ出力(AO)では、デジタルデータをアナログデータとして出力します。 3.カウンタ/タイマ カウンタは、指定時間のパルス数を計数したり、周波数を測定します。 タイマは、指定時間出力をONにしたりOFFにしたりします。 中には@AB全ての機能を備えたボードもあります。 ●信号の種類 各物理量の情報は、電気の時間的な変化としてとらえ、それをデータとして記録します。 これらのデータを様々な角度で解析することにより、様々な情報をえることができます。 では、信号にはどのような種類があって、どのような情報をえられるのでしょうか。 1.デジタル信号 デジタル信号には、ON/OFF信号とパルス列信号があります。 ・ON/OFF信号 単純にデジタル信号の状態(1or0)情報を伝えます。 ・パルス列信号 ON/OFFの状態が変わる回数、変わる間隔、変わる速度により情報を伝えます。 例えば、一秒間のパルスの数で移動体の速度を計測したりします。 2.アナログ信号 アナログ信号には、比較的変化速度の遅いDC領域信号と、変化の早い時間領域信号があります。 又、時間領域信号には、周波数領域で解析する周波数領域信号があります。 ・DC領域信号 時間経過に対して信号レベルが緩やかに変化(もしくは変化しない)します。 温度、バッテリ出力、圧力/ひずみゲージ出力等、一般的にある一定の値(変化量が小さい)を示すものをいいます。 信号レベルの経時変化を情報として伝えます。 ・時間領域信号 信号レベルと信号レベルの変化のしかた(スロープ、ピークの位置、波形の形状、繰り返し)により情報を伝えます。 信号の状態で情報を伝えるので、測定ポイント数(サンプリング速度)や、トリガのかけ方に考慮する必要があります。 繰り返し信号の場合、最低測定する信号の2倍のサンプリング速度を必要とします。 又、正確な位置で測定を開始(トリガをかける)しないと正確な情報をえることはできません。 ・周波数領域信号 信号レベルの時間的な変化ではなく、その信号に含まれている各周波数成分のレベルの変化により情報を伝えます。 測定方法は、時間領域信号と同じですが、ソフトウェアで演算処理(FFT処理等)し周波数成分の情報に変換します。 音声・音響・振動解析などに使用されます。 ※上記は、比較的周波数の低い領域の測定での場合です。 周波数の高いものは、スペクトラムアナライザ等で、掃引信号発生器とフィルタにより直接周波数成分を抽出して測定 します。 信号には様々な側面があり、必要とされている情報は何なのかをまず調べる必要があります。 そうすれば、必然的に測定条件が決まってきてくるので、最適な測定環境(ボードの選択)が選択できます。 次回は、AIボードの基礎について書きます。 |
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