■TCP/IP,シリアル通信

   LabVIEWは、GPIBの他にもTCP/IPやシリアル(RS232C,RS422等)通信もサポートしています。
   最近の計測器は、TCP/IPのサポートをしているものも多く、直接LANやインターネットに接続できるものもあります。
   ここでは、TCP/IPやシリアル通信を計測制御に使用した場合の注意点を紹介します。

   1.タイムラグ(TCP/IP)
    TCP/IPは、パケット通信をおこなっています。
    PCと計測が一対一で接続されている場合はいいのですが、LANやインターネットを介している場合は注意が必要です。
    基本的には、IPアドレスが振ってあればどこに計測器があろうが制御できるのですが、パケット通信をおこなっているため、
    コマンドが計測器にいつ到達するか時間的な保証がありません。
    極端な話、コマンドの順序が逆になる場合や、コマンド自体が消滅してしまう場合があるのです。
    エラーを監視したり、コマンドを「;」でつなげて送るなど工夫が必要になってきますが、実際はこのよなことはあまり起こる
    ことではないので気にする必要はありません。
    しかし、複数の計測器に同時にトリガをかけることはできないので、ハード的なトリガリングを考える必要があります。

   2.一対一(シリアル通信)
    シリアルポートは、通常のPCには必ず付いています。
    単体の計測器を制御する場合は、高価なGPIBボードやケーブルを用意する必要がないため、安価なシステムの構築が
    できます。
    しかし、一対一の通信しかできないため、システムの拡張性がないので、簡単なシステム向けといえます。

   3.リモートポート(TCP/IP)
    TCP/IPでは、IPアドレスの設定以外にリモートポート(ポート番号)の設定が必要になります。
    リモートポートとは、受け取ったデータの処理方法を決めるための番号(21はFTP、25はSMPTなど)です。
    これが設定されていないとIPアドレスを設定しても計測器を制御することはできません。

   4.Eメール
    TCP/IPをサポートしているのでLabVIEWからEメールを出すことができます。
    遠隔地にあるPCでシステムを監視させ、測定データや異常があった場合の報告等をEメールで簡単に送れますので応用
    範囲がかなり広がっています

    計測制御はGPIBだけではありません。
    よりよいシステムを構築する為にこれらの制御方法を知ることも重要です。


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   最終更新日:2003-04-04